Another Episod by………
━━━そんな所で何してるのー?………またサボリ?

━━━………………?



聞き慣れた声だった。最後にこの声を聞いたのは…………、俺が死ぬ前日。閉じたまぶたをゆっくり開く。



━━━起きた?



俺を上から見下ろしながら笑顔で少女はそう言った。



━━━おーい?



目の前で起こっている事が理解できず、
ただ目を見開いた。……ちょっと待てッッ!何故死人の俺に話しかける!?



━━━エリシャ!?

━━━わ! びっくりしたー………。急に大声出さないでよ!

━━━なんで話しかけるんだ?



おい……聞き方がそうじゃねぇだろ俺……。………わかっていた。エリシャもすでに死んでいるんだ。ただ、それを認められない自分が居た。彼女を置いて、勝手に死んで、どうやって死んだかは知らないが、守ってやる事も出来なかった。



━━━嫌な言い方!話しかけたらダメ?やっと見つけたのに………。

━━━いや……悪い。そういう意味じゃない。んー…………だから…………。…………ごめんッッ!



飛び起きて土下座して謝った。いろんな意味を込めて。情けないがこの一瞬でこんな事しか思い付かなかった。他の死人達の視線がこっちに向いてるのは痛いほどわかった。どこかでは、 『いやーねぇー?』とか『死んでまで土下座かよ!?』とか言われてるのが聞こえる。



━━━………ちょっと…、やめてよ………。恥ずかしいからやめて!他人のふりするからッッ!

━━━いや!わかった………!土下座やめるから!

━━━………もぅ。



エリシャは困った顔をして俺を見ている。謝る前に聞くことがあるだろう。だが、聞くのが恐かった。



………お前はなんで死んだんだ?


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