Another Episod by………
ある雨の日の夕方、俺はまだイセルナの波動を追っていた。あれ以来一切音沙汰がない感じだった。まさかダメだったんじゃないか?少しなからずそんな不安さえ感じていた。


ドサッ!!
ガラン……ガランガラン…………!


路地の方から物凄い音がした。


━━━アンザック?今の……何の音だろう?

━━━さぁ?

エリシャは音がした方へ歩いて行った。俺も後ろからついて行った。

━━━…………女の子が倒れてる………。


おい…………。 マジかよ…………。倒れてる女の子は行方知れずのイセルナだった。


━━━……………。なんでそんなに顔が引きつってるの?

━━━………そいつはほっとけ。

━━━え………? でも………。

━━━よく見てみろ。

━━━………?……………………ッッ!! イセルナ?

━━━どこをどう通ってここまで戻ってきたんだー?こいつ…………。


安心したと言うよりはなんか拍子抜けだった。怪我してるわけでもなく、ただ雨の中、道のど真ん中で寝ていた。


すると、イセルナが寝てる前の家の扉が開いた。剣が転がった音で家主も何事かと思ったんだろう。



「大丈夫ですかッッ!?」
━━━大丈夫ー??


一緒にエリシャも声かける。返答のないイセルナは家主に担がれ家の中へ連れていかれた。


大丈夫ですか?のその声にどことなく聞き覚えがあった。イセルナを担ぐ家主に目をやると、


━━━…………? ………………………ッッ!?

━━━今度はなーに??


開いた口が塞がらない。巡り合わせとは本当に恐ろしい。


━━━キルティ…………。

━━━知り合い?

━━━あいつシュライクの………



イセルナの奴も、別に寝るならキルティの家の前でわざわざ寝なくたっていいだろう?
しかしそれが巡り合わせなのだろう。その巡り合わせもそれだけでは終わらない。夜になって雨が止んだ頃だった。



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