Another Episod by………
まだ小さくて
幼くて
白衣に着られた感じの女の子。
あぁ、
確かに綺麗な顔立ちをした
少女だった。
でもなんだか、
悲しげで
寂しげで
儚げで
今にも消えてしまいそうな
雰囲気を漂わせていた。
首から下げてる
本部の入館許可証に
イセルナ=イージスと書かれていた。
異端者オリオール=イージスの娘…か。
それからだいぶ経って
彼女の存在を忘れかけた頃、
軍のエントランスホールで
騒ぐアホ共がいた。
「いいかお前ら!
俺が今から投げるから
先に取った方にくれてやる!」
「2人共取れなかったら
どーすんだよ!?」
「そしたら俺のもんだよ。
じゃあいいか!?
行くぞッッ!」
エリート兵と見習い兵、
そして白衣の少女。
イセルナだった。
エリート兵が何かを投げた。
見習い兵とイセルナが
それを追いかける。
相手は見習いとはいえ
きちんと
教育を受けている兵士だ。
陰険な武器製作員には
到底無理だろう。
「見事だ!
じゃあその焼きそばパンは
イセルナにやろう。
シュライク。
お前そんなんだと
いつまで経っても
エリートに上がってこれないぞ!」
「サボッてる奴に
言われたくないよ」
「あんただって
サボッてんだろ」
焼きそばパンかよ………。
しかし驚いた。
疾風のごとく駆け抜けるって
ああいうことを言うんだろうな。
もの凄い勢いで
走ってジャンプして取りやがった。
………焼きそばパン。
気にして見てると
同じような光景を
何度も見ることができた。
最初に見た時とは違って
普通に楽しくしゃべって
笑って遊ぶ
ただの14、5歳の女の子だった。