Another Episod by………



「お前それ欲しいのか?」
「……………。
そーゆうわけでは…」
「気に入って頂けましたか?
それ、
あたしが造ったんです」
「え?
そーなの!?」
「ねーちゃん。
これやるからこっちこいつに
くれてやってくれ」
「はい!
確かにお代は頂きました。
………良かったですね!」
「……………?」



生まれて初めてだった。
女の子に物を買ってやるのは。
なんで俺こんな事したんだ?
わからないけど、
なんとなくこいつの
喜ぶ顔が見たかった。
でも、
急なことでこいつ自身も
戸惑っていた。



「また来てくださいね!」



店を後にした。
俺の後をゆっくりと
イセルナはついて来る。



「ねぇ………」
「ん?」
「…ありがとう」
「あぁ。
気にすんな」
「…大事に…するね」



恥ずかしそうに言うこいつが
可愛らしく思えた。
ぶっちゃけこれで
いけると思ったんだがな。
この女はそんなに
簡単にはいかなかった…。



結局その後も
何一つ変わることなく
イセルナの教育を終えた。
確かに弱冠13歳で
科学系に所属しただけあって
物覚えは完璧で
文句の付け所がなかった。
少し気になったのは
教育中何度かあった
実戦の時に持っていた剣だ。



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