鏡の中の自分

「なんで…」
『何でって、昨日、あなたが、鏡に向かって、もう1人自分が居たらいいのにって、言うから…』

確かに唯は昨日、寝る前に、鏡の前でそんな様な事を口に出していた。

『それに、あたしは前から、あなたに言っておきたいことがあったの！いつも、下向いてて、前を見ようとしないあなたに、少し、腹が立っていて、どうして、あなたのような人が、あたしの本体なのか、あたしが認めるまで、あたしがちゃんと、指導するから！』

彼女は、唯とはまったく、正反対の性格であった。
唯が前から抱いていた理想の自分に似ていて、その言葉に、反論することも出来ず、彼女との2住生活をすることになった。