Kissシリーズ・「本気のキス」
狙い通り!

「それでは、ボクにキスしてみてください」

「………はい?」

「キスですよ。もちろん、唇でね」

そう言って、最上級の笑顔で唇に触れる。

ううっ! 心臓が痛いっ!

でもある意味、本望か…?

「…キス、したら、認めてくれます?」

「ええ、当たり前です。ボクが言い出したことなんですから」

余裕たっぷりに、イスに深く腰掛ける。

………キス、は正直、したい。

―最後の思い出には、案外良いかもしれない。

きっと彼は経験済みだし。
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