Kissシリーズ・「本気のキス」
「出来ないなら、すぐに廊下に出てください。まだ生徒会の仕事が残っていますから」

机の上に広げている書類は、彼が仕事中だということを表している。

あたしは拳を握り締め、彼を正面から睨み付けた。

「―分かりました」

「えっ?」

あたしは机の上に膝をかけ、彼の肩に両手を置いた。

そして―一瞬だけど、彼の唇に触れた。

冷たくて、とても甘いキス。

すぐに彼から離れた。

「―コレであたしの本気、分かってくれますよね?」

泣きたいのを堪えた。

…正直、ここまで感情が昂るとは思わなかった。

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