パンダ戦争
パンダ戦争
『コウちゃん、パンダ買いに行こうよ』
わけのわからないメールの、着信音で目が覚めた。
テレビを観ながら寝てしまったようで、画面には深夜の通販番組が映っている。
「今の時期は毎日でも食べたい!」豆乳鍋のセットを紹介しているようだ。
まぶたを擦りながらテンションの高い司会者をぼんやり眺めていると、また同じ内容のメールが届いた。
よくよく確認すると、未読メールの件数が30件になっていた。
届いた時間は、2時ちょうど、2時1分、2時2分……。
このままでは朝までに300件のメールがくることになってしまう。
僕は慌ててメールの送り主、理沙に電話をかけた。
コール音が聞こえる前に、彼女の声が聞こえてきた。おそらくは次のメールを送るために、携帯を構えていたのだろう。
――あ、コウちゃん。どうかした?
「まさかその台詞を理沙から聞くことになるとは思わなかったよ」
――そうそう、忘れてた。パンダ買いに行くよ。
「忘れてた割に、メールは切なくなるくらい届いてたけど。パンダを買うってのはどういうこと?」
わけのわからないメールの、着信音で目が覚めた。
テレビを観ながら寝てしまったようで、画面には深夜の通販番組が映っている。
「今の時期は毎日でも食べたい!」豆乳鍋のセットを紹介しているようだ。
まぶたを擦りながらテンションの高い司会者をぼんやり眺めていると、また同じ内容のメールが届いた。
よくよく確認すると、未読メールの件数が30件になっていた。
届いた時間は、2時ちょうど、2時1分、2時2分……。
このままでは朝までに300件のメールがくることになってしまう。
僕は慌ててメールの送り主、理沙に電話をかけた。
コール音が聞こえる前に、彼女の声が聞こえてきた。おそらくは次のメールを送るために、携帯を構えていたのだろう。
――あ、コウちゃん。どうかした?
「まさかその台詞を理沙から聞くことになるとは思わなかったよ」
――そうそう、忘れてた。パンダ買いに行くよ。
「忘れてた割に、メールは切なくなるくらい届いてたけど。パンダを買うってのはどういうこと?」