擬態
人形を所有していた者が、一気に失踪した。

マカの見ていた雑誌や新聞には、その記事が大きく取り上げられている。

しかし人形の件は、マカの血族が揉み消した。

血族のことは、何が何でも秘密にしなければならない。

その為ならば、手段は問わない。
 
…マカ自身も、手段を持っている。

気を操る力を持つゆえに、相手の気をも操れる。

その力で肉体の能力を高めたり、相手の記憶もある程度ならば変えられる。

実際、親友だと言っていたミナにも使ったことがあった。

それまでの自分を消すのは、ある意味自殺行為に等しかった。
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