擬態
「私も…ですか?」

「自覚があって結構。控えてくれると、ますますよろしい」

「と言われましてもねぇ…。私はあくまで、お客様のご要望を叶える商品をお売りしているだけでして…」

「傍観者のフリは無しだぞ」

マカの鋭い視線と声に、店主は肩を竦めた。

「分かりましたよ。ご迷惑をおかけしている分、ちゃんと調査します」

降参だというように、両手を上げた店主を見て、マカは軽く息を吐いた。

「…ああ、頼む。では今日は帰る」

「では何か買っていきませんか? 新製品、入荷したんですよ」

途端に営業スマイルになった店主を、マカはジト目で睨んだ。

「お前、同属にも被害を増やす気か?」

「とんでもない! 大体私の商品ごときが、あなたに影響を及ぼせるなんて思っていませんよ」

「どーいう意味だっ! それはっ!」
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