天然水 -雅紀side-

顔を見た瞬間、
抱き締めたくなった。

「来てくれたんだ?」

“あんたが来いって
言ったんじゃん”

あんたって…
俺、相当嫌われてる?

「おいで。」

そう言い抱き寄せた。

ひめの匂いがする。

母親の事、
バイトの事、
ずっと一人だった事

全部、
聞いてほしくなった。

俺を理解してくれる人に
なって欲しい。

そう思い、全部話した。

ひめは何も言わずに
ちゃんと聞いてくれた。

“いい加減この体勢
止めない?”

そう言われた時は
逃げられるのかと思った

俺の話聞いて
そばにすらいたく
なくなった?

< 19 / 62 >

この作品をシェア

pagetop