天然水 -雅紀side-
顔を見た瞬間、
抱き締めたくなった。
「来てくれたんだ?」
“あんたが来いって
言ったんじゃん”
あんたって…
俺、相当嫌われてる?
「おいで。」
そう言い抱き寄せた。
ひめの匂いがする。
母親の事、
バイトの事、
ずっと一人だった事
全部、
聞いてほしくなった。
俺を理解してくれる人に
なって欲しい。
そう思い、全部話した。
ひめは何も言わずに
ちゃんと聞いてくれた。
“いい加減この体勢
止めない?”
そう言われた時は
逃げられるのかと思った
俺の話聞いて
そばにすらいたく
なくなった?