天然水 -雅紀side-
縮まる距離
俺が弱音を吐いた日以来
ひめは毎朝、来てくれる
その日以来
普通に話をしてくれる
ようになった。
俺はずっと一人で
寂しかっただけなのかも
しれない。
本音を話せるやつも
弱音を吐けるやつも
甘えれるやつも
ひめだけだ。
祐希もいい奴だけど、
何か話せないんだよな。
ある日、ひめに
どうして進路指導室で
キスしたのか聞かれた。
姫島のかわりにしようと
思ったなんて口が
裂けても言えない。
「ひみつ」
そう言って誤魔化した。