天然水 -雅紀side-
俺の心臓をドキドキ
させるのは
それだけではなかった。
いつも風に揺れる
キレイなストレートの髪が
今日はなぜか
ふわりと巻かれていた。
こうゆうの好きだわ。
男心をくすぐられる
小悪魔な感じってやつ?
“ふわふわしたやつ
俺、好き。”
無意識に『好き』なんて
言葉を口に出していた。
でも、今日は
抱きしめたいなんて
思わなかった。
その理由は
昨日のバイトのせい。
夜中まで帰らして
もらえなかったから
晩から何も食べてない。
その分、金は多く
貰ったけど
金はいらないから
帰らして欲しかった。
腹減って死にそう。