天然水 -雅紀side-
“おい、雅紀”
深い眠りに入りそうな時
祐希に起こされた。
晩飯を食べようと箸を
持った瞬間に電話が
かかってきた時のような
不快な気持ちだった。
「なんだよ‥」
“イベント、旅行に
決定したぞ?
お前来れんの?”
イベント?旅行?
何の話だ?
頭を回転させて
何とか理解できた。
「あー
イベントで旅行?」
“そう。冬休みだぜ?
お前バイトだろ?”
「大丈夫、行く。」
“そ?ならいいけど。”
昨日からしばらく
バイトが休みになった。
なぜかと言うと
辞めさせて欲しい。
そう言ったら
しばらく休んで
ちゃんと考えろと
言われたからだ。
ちゃんと考えたって
辞めたいと思う気持ちは
変わらない。