天然水 -雅紀side-
ただ、その瞬間だけは
俺とひめの気持ちが
通じ合ってる気がした。
4泊5日の旅行が終わり
俺は仕事を辞める決意は
変わらない事を伝えた。
そしてひめへの気持ちも
打ち明けた。
すると先輩たちは
納得をしてくれた。
“客にはちゃん説明して
納得して貰えよ。”
そう言ってくれた。
俺はその日から
毎日客と連絡をとった。
しかし、なかなか
納得してくれなかった。
それでも俺は、
必死で客と向かい合った
そんな俺の唯一
安らげる時間が夜の11時
ひめが毎晩、飯を作りに
来てくれる時間だ。
だから俺は11時には
絶対に家に帰った。