天然水 -雅紀side-
オープンしたばかりの店は
予想よりも忙しかった。
女相手に話すだけなのに
意外と疲れるし…
嬉しい事に
客の数は日に日に増えた
それなりに
毎日が忙しかったけど
毎日ひめの事を
考えていた。
今、何しているんだろう
ちゃんと笑ってる?
ひめの横には
菜智チャンがいるし
大丈夫だろうけど。
祐希、連絡しなくて
ごめんな。
俺のかわりに
ひめに何かあったら
守ってやってくれよ。
今日の東京の夜空は、
キレイな満月だった。
ひめ…
会いたいよ‥。
声が聞きたい。
でも、連絡はしない。
ひめがもし、
泣いてしまったら
夜中でもひめの元まで
行ってしまうだろうな。