天然水 -雅紀side-
タクシーの中で
祐希に電話をかけた。
“お前ッ どうした?!”
かなり驚いている
みたいだ。
それもそうか、
急に消えたやつから
いきなり電話が
かかってきたら
誰だって驚くよな。
「あのさー、
今そっちに向かってる。
明日は学校行くから。
心配かけてごめんな?」
“俺はいいけど、
ひめチャンに連絡した?”
夜中だし寝てるだろうと
思って連絡はしなかった
ちゃんと直接、会って
話したい事があるし。
“心配してたぞ?”
「なあ、この一ヶ月の事
教えてくれない?」
とにかく早くひめの話を
聞きたかった。
俺のいない間のひめを
知りたかったんだ。