六花伝
何であたしが。
養女だから?
「養女だからですか…。あたしが。」
「ええ。父上はその為にあなたを拾ってきたのです。」
「生贄のために?」「この地を水神様の加護で満たすが為、今回の日照りがなくとも、長はあなたを差し出したでしょう。」
目の前の少女につかみかかっていた。
「…姉様も騙していたのですね!!」
「し……知ら」
「黙れ…」
「美都!!」
「………黙れ黙れ黙れ…黙れ!!」
もう何も聞きたくなかった。信じていた全てに拒絶された絶望感。
なのに………
「み、つ。」
「何も言わないで!!」
「…………………。」