華桜学園


∽風真 葵の場合∽



「晃なんか知らんっ!!大っっ嫌いっ!!!!」

俺はそのまま部屋を飛び出した。



喧嘩というよりは、俺が一方的に晃に怒っているだけやけど、今回は謝ったって許さね―し!



ことの始まりは、晃のベッドの下に隠してあったものから幕を開けた。


初めて見つけた時は、俺だけが泣いてそれから仲直りした。

その時に晃は、大人のビデオを捨てるって言ったはず。




あれから2週間、確かにそれはなかった。


「葵あれは全部燃やしたから、悪かったな」

「次は許さへんから!」


これは、ここで終わったものだと思っていた。

せやけど、晃のソファーにはそれが2、3枚あった。


あまりにも堂々としているから、問い詰めってやった。



「晃、これなんのつもり?全部燃やすって、言ったやんな??」


晃の方を見て言うと、晃はバツの悪そうな顔をしたうえに、何も言わへんかった。



それが逆にしゃくにさわった。




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