華桜学園
俺の質問は無視なんですね?
ってか、行動早すぎでしょ。
あ―――
もうコイツ止まんね―な。
俺を巻き込みやがって。
しかも、女装とかどんな趣味だよ!?
だけど、なんだかんだ言って仁とのデートが、楽しみなんて思ってんだよな。
「紅葉、明日は早く起きろよ」
「分かってる。ってか、大丈夫だよな?」
葵が化粧できるとか、不安だし。
なにより、仁の反応が怖いかも…
キモいとか言われたら、終わりだぞ!
「大丈夫や!俺、将来の夢ヘアーメイク系の仕事目指してるから」
と、バッチリ笑顔で言われた。
「わかった、信用する」
まぁ、葵は嘘つくやつじゃないし。
大丈夫だろう。
仁とのデートの約束もできたし、葵もうまくいったみたい。
「明日を待つだけだな」
と、俺が言った。
「あ、紅葉はどんな服がいい?」
「あ??」
何を言ってんだ?
「明日は女装するんやろ?」
葵が不機嫌そうな声をあげた。
あ、そうだった。
「葵に任せる」
「おう、分かった」