華桜学園
紅葉Side
「…ん…………」
周りの殴り合いの音に、目が覚めた。
一番始めに目に入ったのは、No.2の総長と仁の姿だった。
その二人以外には、みんな伸びていて………
葵や神七…あと、晃先輩が、必死になって仁を止めに入っていた。
「もうやめろ、仁!!!目黒が死ぬ!!!」
晃先輩なんか、いつもの口調なんかなくて…
なによりも、仁が自分の仲間も殴っているのを見て、とても怖くなった。
いつもと違う仁を、見ている気がする…
俺も、止めに行きたいけど足がピクリと動かない………
声もかすれて、出てこない。
こんな時に、無力な自分が憎いと思った。
「……ヒック、…っ…じん……」
ついに、泣き出した俺…