華桜学園
風のウワサで聞いたのだが、仁は暴れたい放題らしい。
なんでもあの晃先輩でも、仁を止められない時もあるらしい。
「なぁ、仁先輩さいろんな男女ひっかけては、抱いてるらしいよ」
……本当なのか??
「知ってた?白泉先輩ってば、派手な喧嘩したらしいよ」
大丈夫かな?
聞きたくない………
でも、嫌でも耳に届いてくるウワサ。
そんな俺に葵は察してくれたのか、クラスメートは一切仁のウワサ話をしなくなった。
そんなある日のことだ。
俺は、気分転換き外出届を出して葵と神七とで遊んでいた。
「紅葉さ、新しい恋でもしたら?」
急に神七がそんなことを言ってきた。
「何でさ????」
「何でって…………
紅葉、仁の話ししかしねぇんだもん」
…う"――――
「…っんなことね―」
否定はしてみたものの、仁のことまだ大好きなんだ。
「なんなら、俺が紹介したんでぇ」
と葵が言った。
「いらない。つか、興味ねぇし!」
新しい恋なんて、一生できないと思う。
俺には、仁しかありえない。
そんなことを考えていると、だんだんブルーな気持ちになってきてしまった。
「俺、もぅ帰るわ。んじゃ、葵に神七」
そいうと俺は返事も聞かずに、ファミレスを出ていった。
あのままあそこにいたら、仁に対する思いが止められなくなる気がした。