華桜学園
紅葉Side
――バッコーン!!!!!!
轟音とともに、誰か入ってきた。
もっと静かに入って来れないのか…………
ここの奴等は…
そう呆れていると、
愛しい人の声が聞こえた。
「紅葉はどこにいるんだ?」
その声は、絶対に仁の声で………
すぐに仁の元へと走りたいが、体がダルくて動けない。
本当に来てくれたという、嬉しさと仁に会いに行くことができない、もどかしさでいっぱいになった。
扉の向こうではもぅ、喧嘩が繰り広げられているようだ。
「……仁」
その小さな、呟きは汚い音にかき消されていった。