華桜学園


喧嘩が終わったのか、辺りが静かになっていた。



―ガチャ



扉が開いた方をみると、仁が息を切らしてこっちに向かっていた。



「紅葉が無事で良かった」


そう言うと、俺を抱き締めた。




「仁…!????」



少し驚いたけど、仁のぬくもりを感じたくて、少しだけ動くようになった腕を背中にまわした。





少ししてから俺から離れるた。


「仁、何でここに来たんだ???」


思ったことを、聞いてみたが、

「聞きたいことはたくさんあるが、その話は俺の部屋でだ。
……立てるか???」




だが、後回しにされてしまった。


「立てない……」



そう言うと、仁は顔を俺に近付けて

「何かされたのか???」


その時の顔は、少し怖かった。




「ちょっと…
でも、心配されるようなことはされてないから」



「分かった」


仁は、俺のことを疑っていたみたいだが、今はそれどころではないみたいだ。





仁はそれだけ言うと、俺をお姫様抱っこをしようとした時だ。




「おい、仁……
まだ、終わってねぇぞ」




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