華桜学園
「はぁ~、結局決まらなかったな」
と、俺。
「せやなぁ。あのピアスかっこよかったんとちゃう??」
と、葵。
晃先輩の誕生日プレゼントに、これほどの時間がかかるとは思いもしなかった。
ずっと歩き回り疲れ果てた、俺達はベンチでジュースを飲んでいた。
ふと見た視線の先に仁がいた。
俺はとっさに声をかけようと、走ろうとした。
「おい、じ…ん?」
最後は声にならなかった。
だって仁は、綺麗な女性をつれて歩いてたから。
しかも、女性の腰に仁の手があり、女性は仁に寄り添っている。
まるで美男美女のカップルだ。