甘い蜜
会社の出入り口。
会社に入っていく人間と出て行く人間がちらほら。
「それでは、次に会う日を楽しみにしています」
「……じゃあな」
葛城は、俺に頭を下げる。
何だか誰かに頭を下げられるなんて事なかったから、何だかくすぐったかった。
全て上手くいった。
でも、順調に事が進みすぎるような気がする。
なんか、ありそうな………
「何もないことを祈るか」
麻理亜、何してるかな。
あぁ、ケーキかなんか買って帰ったら喜ぶかな。
俺は、笑顔で迎えてくれるだろう麻理亜の姿を思い浮かべながら帰路を歩き始めた。