甘い蜜
「早く」
「駄目だよ……バレちゃう」
「気にしなくていい」
「気にする……敬夜さんは、先生、だよ」
忘れてしまいそうだけど、俺は教師。今年一杯だがな。
そう考えれば、別にばれてもかまわないのだがな。
「………そうだ」
まだ、言ってなかったな。
これからのこと。
「何?」
「帰ってきてから、話がある。」
「話?」
これを聞いたら麻理亜はどうするだろう。一緒に、ついてきてくれるだろうか。
一緒にいてくれるだろうか。
「とりあえず、車は決定事項。拒否権なしな」
「!!?」
唖然とする麻理亜を引っ張るように俺達は家をでた。