甘い蜜
――――――――
「今日俺が飯作るから」
「………え?」
「たまにはお前を休ませなきゃな」
学校も1日無事に終わり、勝手に帰ろうとしていた麻理亜を捕まえ一緒に帰路につく。
晩御飯を作ると名乗りを上げた俺に、麻理亜は目を見開く。
「なんだ」
「………料理、出来たの」
「失礼だな」
料理くらいできる。ずっと一人で暮らしていたんだぞ?
「何が食べたい?」
「何でも」
「それは困る」
麻理亜も分かるだろ?
何でもが一番何を作ればいいのか悩まされるんだから。