甘い蜜
久しぶりの料理でも腕は鈍っていなかったようだ。
手際よく料理を進めていく。
パスタも茹で始めて、この前偶々みた料理番組でやっていた失敗しないカルボナーラの調理法を試してみる。
絶対失敗しないと言っても手順を間違えたら失敗してしまう。
いつも旨いものばっかり麻理亜が食べさせてくれるからやっぱり旨いものを作って食べさせたいと思う。
真剣に料理をしていると、珍しく来訪者を告げるベルが鳴る。
珍しい。だが今手を離せないから……
「麻理亜!出てくれ」
「いいの」
「構わない」
「分かった」
麻理亜は頷くとパタパタと玄関に向かった。
まぁ、大したことじゃないだろうと思って料理を続けていたら、叫び声が聞こえた。