甘い蜜
「麻理亜、聞け」
「聞かない。」
「聞け!!」
「っ嘘つき!!」
麻理亜は叫ぶと、無理矢理俺の腕を引き剥がして俺から距離を取る。
はぁはぁ、と肩で息をしながら泣いていた。
「嘘つき、私を、ずっと愛してくれるって………必要としてくれるって…」
「麻理亜、」
違う。本当だ。
俺にはお前しか、麻理亜しかいらない。麻理亜しか、愛せない。
だのに、麻理亜は感情で我を失っていて言葉が届かない。
「………やっぱり、私なんて……」
いらなかった、と呟いた麻理亜に、俺の中で何かが切れた。