甘い蜜
茹で蛸みたいだ。
「麻理亜?」
「っ………なんか、プロポーズ、みたい……」
「そのつもりだったんだけど」
「っ~~」
プロポーズか、ムードも何もないな。
まぁ仮としよう。仮と。
本格的なのはまた今度。
とりあえず、今は気持ちだ。
「麻理亜、返事は?」
「…………私なんかでいいの」
さっきとは一変して、麻理亜は不安そうに顔を歪める。
「何度言えばいい?麻理亜がいいんだ」
約束しただろ?
目一杯愛してやるって。
お前が望む限り一緒にいるって。