甘い蜜
しかし、このメールを無視したらまた乗り込んでこないとも限らない。
頭をよぎるのは麻理亜の泣き顔。
もう二度とあんな顔は見たくない。
「…………仕方ない」
溜め息をついた後、真理子さんに返信する。
すると返事はすぐに返ってきた。
早いな、と内心驚きながらメールを開く。
メールにはこう書いてあった。
――――明日、17時に朝日ヶ丘公園で待っています。
朝日ヶ丘公園?………ここからそう遠くはない、か。
了解したというメールを送って携帯を閉じる。