甘い蜜
「……泣くな」
そっと親指の腹で涙を拭ってやる。
大丈夫、俺が側にいるから。
だから、泣くな。
そんな思いを込めて瞼にキスする。
「……ん…」
唇を離すと、ゆっくりと麻理亜の目が開いていく。
起こしてしまったな……
「起きたか」
「んぅ……先…生……?」
まだまどろみの中にいる麻理亜は、目をしぱしぱさせ目を擦る。
「おはよう。麻理亜」
「………おはょぅ」
どうやらまだ目が覚めてないみたいだな。