甘い蜜



「……泣くな」


そっと親指の腹で涙を拭ってやる。


大丈夫、俺が側にいるから。


だから、泣くな。


そんな思いを込めて瞼にキスする。


「……ん…」


唇を離すと、ゆっくりと麻理亜の目が開いていく。


起こしてしまったな……


「起きたか」

「んぅ……先…生……?」


まだまどろみの中にいる麻理亜は、目をしぱしぱさせ目を擦る。


「おはよう。麻理亜」

「………おはょぅ」


どうやらまだ目が覚めてないみたいだな。


< 18 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop