甘い蜜
麻理亜と出逢ってからずっとともに過ごしてきた。だのに1ヶ月以上もこの状態だと流石に辛くなってくる。
いかに自分が麻理亜に溺れていたのか痛感した。
「麻理亜、早く起きないと本当に出席日数足りなくなるぞ」
そしたら留年だ、卒業できなくなるぞ。だから、早く起きろ。
もう、祈りに近かった。
ギュッと麻理亜の手を握って額に押し付ける。
神が本当にいるなんて分からない。でももしいるなら、麻理亜を早く治してくれ。麻理亜は何も悪いことはしていないんだ。だから、頼む――――
祈りが通じたのか、ピクッと掴んでいた手が微かに動いた。