甘い蜜



憎んでも憎み足りないくらいなのに。


「………そうなんだ」

「麻理亜?」

「何だか複雑……私が現れなかったら刑務所なんて行かずに済んだのに、て思ったけど、そうじゃなくても刑務所行きだったって………」

「そうか?」


正確には真理子さんの父親が、だがそこは敢えて訂正はしなかった。


俺は、麻理亜の手をギュッと握り締める。


「麻理亜」

「………何?」

「今回のことは本当に悪かった」



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