甘い蜜
何同じ事を言うの?みたいな目で首を傾けながら見てくる。
いいんだよ。今から大切なことを言うんだから。
しかしいざとなったら緊張するな。
病室ってのもまた、雰囲気がないが……
「………俺は、今回の事で痛感したことがある」
「?」
「お前が怪我をして、生きた心地もしなかった」
俺は自分が思っている以上に麻理亜に依存している。
あの日、土砂降りの雨の中麻理亜を見つけた、あの瞬間から。
おそらく、あの瞬間から、俺は麻理亜という存在に溺れてしまっていたんじゃないかと思うんだ。
一目惚れが分からないとか言っていたが、自分も似たようなものだな。
一目見て、がないだけで、すぐに麻理亜に生徒以上の感情を抱いてしまったのだから。