甘い蜜



「そんな顔をするな―――せっかくの結婚式なんだから」

「っ……分かってるよ」


あの日から四年。
親父が言うとおり今や俺が香山グループのトップに立った。親父がまさかの引退を宣言したから、俺がトップ。


ここまでの道のりは短いようで長かった。覚えることは山ほどでしなければならないことも山ほどあった。


徹夜なんか当たり前で、それでも一度も倒れたりすることはなかった。


それは、きっと麻理亜のお陰。
麻理亜は卒業してからは進学せずにずっと俺の側にいてくれ支えてくれた。



俺の健康を考えて料理を考えたり、少し時間を見つけては、俺に睡眠を取らせた。


そんな毎日じゃ麻理亜もストレスがたまるんじゃないかと心配したが、麻理亜も楽しみを見つけ出したみたいだった。


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