甘い蜜
せっかくだから、どこかに連れていってやろうと思う。
麻理亜の行きたい場所に。
「行きたいとこ、ないか?」
俺は、麻理亜の答えを待つ。
考えるながら少し唸る麻理亜に、期待したが、麻理亜の返答は見事に俺の気持ちを打ち壊してくれた。
「んー……別に、ない…かな……」
「何だと?」
「いきなり行きたいって思えるとこなんてないよ」
それは暗に出かけなくて良いと?
………いい度胸してるじゃないか。
「なんかないのか?」
「?ないよ?別に出かけなくても、家に居ればいいと思う」
だってずっと一緒でしょう?