甘い蜜
麻理亜の初めて。
結構初めてはあったが、まだあったとはな。
やっぱり連れてきてよかった。今度から様子をみていろんな所に連れて行こう。
そう思った。
ブラブラと魚を見ながら水族館を歩く。天井も水槽の場所では、子供のように麻理亜ははしゃいでいた。
「ねぇ敬夜さん」
「ん?」
「これ……小さくて可愛い…」
ポツリと呟いて麻理亜が指差す水槽には、体が透明に見える小さな小さなもの。妖精みたいにひらひらとしている。
「ああ……クリオネか」
「クリオネ……」
可愛い、と麻理亜は笑みを浮かべる。