甘い蜜
連れてきたのは大きな水槽のある広場。
『それでは、今からイルカショーを始めます!!!』
女の声のアナウンスと同時に水槽からイルカが二頭飛び出してきた。
「イルカ……」
ポツリと呟く麻理亜の腕をひいて、ショーを見やすい場所の椅子に座った。
沈んだ気分が徐々に浮上していくのを隣に感じた。
ピッと女の飼育員の笛の合図でイルカが一度水の中に潜る。そして次の笛の音で勢いよく飛び出してきたイルカは空中で一回転して水の中に戻っていく。
わあぁっと広場が歓声に包まれた。
「すごい……!!」
キラキラさせて麻理亜はイルカショーに釘付けになった。