甘い蜜
元気になった麻理亜に俺はホッとした。麻理亜はイルカショーに満足してくれたみたいだ。
次はクリオネなんか見せないでこういったショーを見せてやろうと思った。
次々と見せられるイルカの技に、麻理亜は興奮しながら手を叩いて拍手を贈っている。
「………まだまだ、子供だな…」
そんな麻理亜に俺はクスクス笑いながら眺めていた。
イルカショーは30分程のものだったが、麻理亜は満足しているようで、軽い足取りだった。今にもスキップを始めてしまいそうだ。
「楽しかったか?」
「うんっ」
俺より数歩前を歩いていた麻理亜は体の向きを変え、後ろ歩きになりながら頷く。