甘い蜜
ヤバい、起こしたか?と思ったが、麻理亜は起きる様子はない。
ホッと息を吐く。
「………敬……ゃさ…」
小さな声で麻理亜は寝言を言う。
夢の中でも俺が側にいるのか、と思うと自分でもだらしない顔になっていると思う。
「ずっと側にいるって約束したもんな」
「ん………あり、がと…」
眠っているのに何故か会話が成立しているのがおかしくて、俺は小さく笑った後、その無防備な柔らかそうなそれにそっと唇を落としたのだった。
―END―