甘い蜜
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それから1日、麻理亜が目を覚ますことはなかった。
俺は麻理亜の側を離れず、仕事は引退した親父に押し付けた。
麻理亜の手を握り、麻理亜が目を覚ますのを待つ。
「麻理亜………」
手を握りながら、片方の手で髪を梳く。すると、ピクッと反応してゆっくりと麻理亜が目を開いた。
「麻理亜……!!」
「…………」
パチパチと数回瞬きをしたあと、麻理亜が俺を瞳に映す。
俺を見た途端に麻理亜はポロポロと涙を流し始めた。
「麻理亜……泣くな、」
「たか…や……さ」
すがりつくように空いている手を伸ばしてくる麻理亜のその手を掴んで俺は自分の方に引き寄せた。