甘い蜜
その借金を返すためにあの人は働き始めたけど、過労死したこと。
「私………疫病神なのかな……」
悲しそうに涙声で麻理亜は呟く。
俺は、耳を疑った。
「あの男がそう言ったのか」
「私がいなかったら、狂わなかったって………」
疫病神と何度も言いながら殴られたと言う。
俺は、今頃地獄より酷い目にあっているだろう真鍋に怒りを抱く。
憎しみだけじゃ足りない。
「やっぱり………私は……」
「麻理亜!」
何を言おうとしているがすぐにわかり俺は麻理亜をきつく抱きしめた。
「奴の言葉なんか気にしなくていい」
「……でも…」