甘い蜜

┗大切な日。




―――――大切な日。



最近、麻理亜の様子がおかしい。


「敬夜さん」

「ん?」


会社に行く前、準備をしていた俺を麻理亜が呼ぶ。


「今日、ちょっと出掛けてくるね?」

「あ……じゃあ龍に連絡しておく」

「うん」


そう言うと麻理亜は頷いてパタパタとリビングに行った。


最近、麻理亜が外出するのが多くなった。楽しそうに出掛けるのだ。


例の一件以来、麻理亜には護衛をつけるようになった。学の知り合いの龍。それ以来俺も親しくなり、龍から申し出てくれたことだった。


俺は麻理亜の行動に不審に思いながら携帯を手にする。



< 265 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop