甘い蜜
┗大切な日。
―――――大切な日。
最近、麻理亜の様子がおかしい。
「敬夜さん」
「ん?」
会社に行く前、準備をしていた俺を麻理亜が呼ぶ。
「今日、ちょっと出掛けてくるね?」
「あ……じゃあ龍に連絡しておく」
「うん」
そう言うと麻理亜は頷いてパタパタとリビングに行った。
最近、麻理亜が外出するのが多くなった。楽しそうに出掛けるのだ。
例の一件以来、麻理亜には護衛をつけるようになった。学の知り合いの龍。それ以来俺も親しくなり、龍から申し出てくれたことだった。
俺は麻理亜の行動に不審に思いながら携帯を手にする。