甘い蜜



「………また山内さんが1位…」

「有り得ない、何時勉強してるわけ?」


私がいる場所は廊下の掲示板。私達の学校は毎月あるテストの成績上位を張り出す仕組み。


正直言って私は頭は普通で成績上位に入ったとしても下の方のごく普通。上を見上げるほどに得点は高くて、山内さんはいつも一位。しかもほぼ満点だ。


「絶対不正してるよ」


隣で見ていた華ちゃんがぽつりと呟く。華ちゃんは私にとって一番の友達だけどこういうところはあまり好きじゃない。


なんでそんな風に思うの?不正なんて出きるはずがないじゃない。


テストの時は各教室には三人の先生が監視するから到底不正なんか出来ないのだ。


ふと、私は周りを見渡す。周りには成績を見にきた生徒達で溢れてる。


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