甘い蜜
喜んでいる人がいたり、ショックを受けている人がいたりと様々だけど、
………あれ?
「華ちゃん」
「なに?」
「ちょっとトイレ行ってくるね」
華ちゃんにそう言って私は群の中から抜け出した。
それから、私はトイレじゃなく、自分の教室に向かう。
「………いた」
教室に戻ると、大体は掲示板の方に行っているから人はほとんどいなかった。
窓側の一番後ろ。そこに私の目的の人がいる。
私は、ゆっくりその人に近づいた。
「……山内さん、」
名前を呼ぶと外を見ていた山内さんは、ゆっくり顔をこっちに向けた。