甘い蜜



いつもより更に低い香山先生の声にゾクッとする。


二人は先生が椅子に座って、山内さんが立っている状況。
私は食い入るように見つめた。


「?私、何かした?」

「………本当に分からないか?」


可愛らしく首を傾ける山内さんに先生は深いため息をついた。


「………お前、今まで何回呼び出されたんだ?」


呆れと怒りの含んだ声。先生もこんな声するんだ。何時もは優しい声なのに。でもそう思うのは私だけらしい。
華ちゃん曰く、冷たい声。


「呼び出し?……あぁ、さっきの?」


やっと分かったのか山内さんは手を叩いた。


「………そうだ」

「別にあれ呼び出しじゃないよ」


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