甘い蜜



どれほどそうしていたか。
ほんの短い間だったかもしれないが、永久の幸せを感じたように思えた。


「んぅ……」


ギュッと目を瞑った後、そろそろと麻理亜が目を覚ます。


「おはよう、麻理亜」


綺麗な漆黒の瞳に俺が映し出される。


「……おはよ…敬夜さん」


ふわっと麻理亜が笑う。
毎日変わらない光景。


毎日変わらないものでも飽きることがないなんて、相当やばいのかもしれない。


休日だから麻理亜はすぐにベッドから出ることなくもぞもぞする。


「敬夜さんも休みって久々……」


ふふっと嬉しそうに麻理亜は笑う。


< 309 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop