甘い蜜
どれほどそうしていたか。
ほんの短い間だったかもしれないが、永久の幸せを感じたように思えた。
「んぅ……」
ギュッと目を瞑った後、そろそろと麻理亜が目を覚ます。
「おはよう、麻理亜」
綺麗な漆黒の瞳に俺が映し出される。
「……おはよ…敬夜さん」
ふわっと麻理亜が笑う。
毎日変わらない光景。
毎日変わらないものでも飽きることがないなんて、相当やばいのかもしれない。
休日だから麻理亜はすぐにベッドから出ることなくもぞもぞする。
「敬夜さんも休みって久々……」
ふふっと嬉しそうに麻理亜は笑う。