甘い蜜
「お昼は、ね………」
クスクスと笑いが止まらない。昼は駄目なら夜はいいんだな。
よっと俺もベッドから抜け出す。
グーッと伸びをして、寝室を出た。
リビングでは、麻理亜が珈琲を煎れながら、何か作業をしているようだった。
「麻理亜、何してるんだ?」
「珈琲と、朝ご飯と、お菓子の準備」
「お菓子?」
「ん………本格的アフタヌーンみたくしてみようかな」
麻理亜は、手を動かしながら楽しそうだ。料理が大好きな麻理亜は色んな所でこだわりを見せる。
「………楽しみだな」
俺は麻理亜が用意してくれた珈琲を飲みながら、台所で作業する麻理亜の様子を眺めていた。